-第18果房- 畑仕事の前にやる、重要なこと

朝晩の冷え込みと北風はまだ冷たいものの、軽トラ越しに差し込む日差しに少し春を感じるようになって来ました。相変わらず、打合せは多いのですが畑もボチボチと春を迎える準備をして行かなければとあせっております。

理論と調和

かといっても、いきなり畑には出ません。土の状態のチェックをして、必要なものをプラスするための設計から。土づくりや有機農業をあれこれ勉強していくうちに出会ったBLOF理論の実践のためには、これも重要な農作業のひとつです。

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これまでの農業ではよく〇〇農法とか言われる、〇〇を使えば甘いトマトができます!みたいなのが多かったんですよね。よくよく考えると、気候、風土、歴史などによって、土の状態は様々。なのに、マニュアル通りやればうまくいく。なんてことはないですよね。

個人的には『理論』というところがポイントで、自然の摂理を理解し、必要最低限の人の手を加えて、より自然に近い状態を再現する。まさに生態系調和型農業理論という表現がしっくりきます。

オーガニックや有機という表現が陳腐なセールスコピーになりつつある中で、調和という言葉にあたたかみを感じつつ、より深く理論を理解し実践してまいります。まだまだです。


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-第17果房- 農業がうまくいく正解はひとつだけ?

三連休後半は、時折差し込む日差しに、少し春の訪れを感じるものの、雪がちらつく寒いお天気。EAT LOCAL KOBEに続き、アグリテインメント塾、オンリーワンスクールと、子どもから、大学生、社会人問わず人に囲まれての楽しい時間となりました。

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正解が一つだけ。の違和感に気づく

アグリテインメント塾では、寒さに負け、メインテーマが就農相談に。いろんな目的で農業を志す人も増えてきています。ここ数年の政策も後押ししてかもしれません。しかしながら、よく相談を受ける際に、『何をつくったらいいですか?』とか『どこで農業をするのがいいですか?』と丸投げ型のご質問が多いです。残念ながら、そんな品目や場所があればとっくの昔に農家が栽培しているし、儲かる農業なんてどこにも存在しませんよ。とお答えするしかありません。収支としての儲かるとか何を作るかではなく、どこかに理想郷のような地域があって、魔法の実がなる木があるわけではないということです。当然、新しく農業に入ってこられるわけですから、現場のリアルな情報がないのは理解しますが、そもそもこの話の発端はなんなのかが気になりました。

これまでの社会では、おおよそ多くの人が求める幸せの形が一緒であり、個性や価値観の多様性を認めることが少なかった。そのため、多くの人が求めるものを知りたいという欲求になるのかもしれません。同時に、経済的にも満足のいく仕事であればやってみるけど、そうでなければやらない。という選択をすれば、何かひとつ光のような正解があると考えるようになっていくのかもしれませんね。結局、外部の環境や、データの中に自分の答えを求めても何も見つかるものはないですよね。

順序を考えていく

そう考えると、〇〇だったら農業をやる。という、外部要因からくる選択ではなく、『自分が何をしたいのか?』から、どんな農業をするのかを考えるのが正順かと。例えば、食料自給率を考えるとき、マスデータや統計とにらめっこしても答えは出てこないし、数値をあげるための花火的なイベントをやってもまったく意味がない。その結果はここ数年のデータを見れば明らかです。また、よく耳にする、添加物や表示の問題も同じで、本質的な解決にはいたっていないのが事実ですね。

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なので、自分自身が楽しくなるような農業を自分でつくりだすことを日々繰り返していくことしかないと考えています。そのためには自分と向き合い、自分と対話し、自分がどう生きてきて、自分がどう生きたいのか。を先に考える。そこには正解も間違いもなく、自分らしい生き方をしているといことが、事実として存在しているだけなのかなと思います。さらには、そんな自分がだれかのお役になれているとしたらより幸せであり、結果何かしらの問題が解決されていることに繋がるだけだと思います。まだまだ農家として楽しむことは山ほどありますし、農業が解決できることも山ほどありそうです。


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-第16果房- イチローと松坂大輔から農家として学ぶこと。

今日は雨模様のEAT LOCAL KOBEからスタート。寒さと曇天続きで、品質と量の満足がいく野菜はお届けできていない状況ではありますが、寒空の下傘を差し足を運んでくださった常連さん方から温かいお言葉をいただきながらのマーケットとなりました。そのあとは時間を忘れ、地元の仲良し農家との熱い農業トーク。軽トラのヒーターを全開にしても曇りがとれないほどの寒さとの中、ずぶ濡れの服を着替えることも忘れ一日を過ごしました。

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しかたがないが、言い訳にはしない

ふと、イメージが湧いたのは、雨の中戦うプロ野球選手。熱心なファンも濡れながら声援を送る。しかしながら結果は凡退&エラーって感じです。例えばこんな時、プロであれば天候を理由にはしないであろうと思います。ファンにも不満は残りますが、やむなしとも考えてくれるであろうと思います。

何が言いたいかというと、農業においては自然環境により完璧なお野菜ばかりをお届けできるとは限りません。まさに近年はゲリラ豪雨や、台風・温暖化などに悩まされ、今年に至っては豪雪被害も甚大です。それらを自分ひとりで解決することはできません。しかしながら、それを理由に自分を肯定し続けることもプロとはいえません。ファンから見れば、日々厳しい練習を繰り返している姿を知っているからこそ、結果だけでは判断せずに見守ってくれているのではないかと思います。

キャンプイン

数年前までは、栽培・流通・販売が分業化され、栽培に集中して研鑽をすることがていましたが、現在では農家もどんどんお客様に近いところまでを仕事にすることが多くなってきました。それ故に、畑にいる時間を割かれていく一方、環境に対応していくために栽培技術の向上もこれまで以上に必要不可欠なものとなってきています。今や自分もチームで農業をやる立場にあり、また農業界でのキャリアも長くなってきたせいか、ややもすると選手ではなく、フロントや広報的な仕事への時間の偏りが多くなってしまっていました。

今一度、グラウンドに出て走り込み、特守をこなしていかなかれば。たまにはランチ特打でファンサービスもしながら。周囲からの声に合わせて右往左往するのではなく、自分と向き合う姿に共感を得て、声援をいただく。まだまだ現役にこだわっていくという覚悟さえあれば、もっと農業が楽しくなると感じました。


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-第15果房- 野菜は何を基準に買っているのか?を掴むことができる農家になる

1月最後は、沖縄出張のあと、鳥取にてオンリーワンスクールの会議へ→姫路で商談会と、温暖な沖縄から一気に0℃圏での外出続き。 今更ながら、体調管理や体力維持にも、思考と時間を割くことを考えないとなーと感じる今日この頃。

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農業界でのホットなニュースから

気になったのは
『オイシックスがらでぃっしゅぼーやを買収』
『補正予算で有機JAS認定増加を推進』
の2つ。有機野菜を販売したい側は合併し巨大化する一方、生産側はこれから有機農家を増やしたい。 有機野菜に関しての期待度は以前から高いのは事実としても、どれだけ実際に消費されているのか?と考えると、 流通している生鮮野菜の多くは認証外であったり、国産でないものも含まれる。 と言うことは、売れる!と思っている有機野菜も安定して販売することは容易ではなく、また供給体制も整っていない。

何が原因でそうなっているのか。生鮮野菜の分野では、webで販売しやすいネーミングやエビデンスがあっても単純に購買に繋がることはなく、 個人の主観や生活環境に合わせた提案が、これからは必要になってくるのだと思う。 ファーマーズマーケットなどでお客様と対話していると、そもそも自分がどんなものを望んでいるのか?何を食べたいのか?がはっきりしないことが多いと感じます。

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個人のパーソナリティにそった提案ができるか

結局のところ、お客様の『ニーズ』ってなんなのか?に話が戻ってくるのではないかと思います。 誰しも、常識、固定概念、経験にとらわれることは少なくなく、仮にそれらを突破しようしてしも、どこかでそれに引っかかってしまう。 それは自分自身のパーソナルに基づいて判断ができるような情報を発信し、それに見合う農産物を提供できる関係性を農家がどう伝えられるか?にかかっているように感じます。

折しも、やむなく欠席となった、第53回職人起業塾のテーマは、『終身の計』を考える。 自分自身がどう考えているのかを、定点で毎年念頭に考えていくことでブラッシュアップしています(ちなみに去年の同テーマのBLOGはこちら)。

2017年度【一年の計】

2,000人の方に想いを伝え、志をともにする人と繋がる。

昨年は畑にお越しいただいた方に想いを伝える。ことがテーマでしたが、今年は場所にとらわれず自ら足を運んででも、逢いたい!と貪欲に動いていこうと思います。


2017年版【十年の計】

アグリテインメント・ファームを10箇所に展開する。

まずは、今の農園をベースにより良いものにしていくことで、食・健康・教育・エネルギーなどなど突き抜けた楽しさを追求していくことはもちろんですが、同じ志ある方を巻き込み、アチコチに拠点をつくり、自由に行き来できれば楽しいかなと。いろんな土地を自分の目で見て、文化風習に触れ、候補地を探求していきます。

2017年版【終身の計】

食をインフラにする。

人にとって大切なことほど、Freeにしていくことが重要ではないかと思います。食の他にも、教育・エネルギー・移動などいろんな分野の知見も広げつつ、今の自分の立場からまずは食のインフラ化をどう実現していくか?を常に意識して日々を送るようにします。

毎年、3つの計を立てることで、自分の成長度合いと人生計画が明確になってきます。自分の場合、大きく変わりはしていないものの、志をより明確にしていくことで、より伝わりやすい志になると実感しました。ボンヤリとでも3つの計を立てることをオススメ致します(笑


改めて考えると、終身の計と10年の計は大凡変化はありません。1年の計を見直して見ると、2,000人は及ばすとも、想いを伝えるための自分の考えは固まってきており、伝える準備まではできたと思います。

踏まえて今年のテーマは

2018版【一年の計】

ローカルでとにかく実践段階に入る 想いを伝えることにプラスして、個人のパーソナリティに寄り添った農との関わりについて提案できるようになること

10年の計 変更なし 終身の計 変更なし となりました。極寒の中、日々わずかでも成長を続けるお野菜達と同様、自分も地道な活動を継続して続けて行くことを今年の目標にして、今日も動いて行きます。


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